- 2024.12.18
- 脳血管性認知症
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なでしこ苑では、認知症に対して専門的なアプローチを行っております。
今回は皆さんも一度も聞いた事があるかもしれない「脳血管性認知症」について説明させて頂きます。脳血管性認知症(vascular dementia)は、脳血管の障害が原因で発生する認知症の一種です。脳梗塞や脳出血などにより脳への血流が妨げられ、脳の神経細胞が損傷・死滅することで、記憶や思考、行動に影響を及ぼします。他の認知症(例:アルツハイマー型認知症)とは異なり、進行の仕方や症状の現れ方に特徴があります。
特徴
●進行の段階が階段状
脳血管障害が起こるたびに急激に認知機能が低下する「階段状の進行」が見られます。
安定した時期がある場合もあります。
●症状が部位により異なる
損傷を受けた脳の部位によって、記憶障害、言語障害、運動障害など、現れる症状が異なります。
●身体的な麻痺や感覚障害を伴うことが多い
脳梗塞や脳出血が原因の場合、半身麻痺や歩行困難などの身体症状が並行してみられることがあります。
●感情の不安定さ
易怒性(怒りっぽくなる)、抑うつ、意欲の低下が特徴的です。
●主な原因
・脳梗塞
・動脈硬化、高血圧、糖尿病などが原因で血管が詰まることが多い。
・脳出血
・高血圧や血管の破綻による出血が影響。
●その他の脳血管障害
微小脳梗塞(小さい血管の閉塞)や、白質病変が影響する場合もあります。
●主な症状
・記憶障害(アルツハイマー型よりも軽い場合が多い)
・計画や判断能力の低下
・空間認識の低下
・注意散漫
・歩行障害や転倒リスクの増加
・情動のコントロールが難しくなる
●診断と治療
・診断
頭部CTやMRIを用いて脳の血流状態を確認します。
認知機能検査や問診で、症状の確認も行います。
・治療
根本治療は困難ですが、リハビリや生活習慣の改善、薬物療法で進行を遅らせることが可能です。
脳血管障害の予防として、血圧管理、糖尿病の治療、禁煙などが重要です。
●ケアのポイント
・日常生活のサポート
時間や予定をわかりやすく示す。
簡単な作業を分割して行う支援をする。
●感情面のケア
不安やイライラに寄り添い、共感を持って対応する。
●リハビリの励行
運動機能や認知機能を維持するため、継続的なリハビリが効果的です。
●転倒予防
家の環境を整える(手すり設置、段差解消など)。
●家族様との連携
家族様への助言ややサポートを行い、利用者様の生活全体を支える体制を整える。 -
- 2024.12.17
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